2007年5月アーカイブ

楽しんでいます、わら新生活

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◇NZ の生活を振り返って
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昨年(2006 年)12 月に私達は6 年半住み慣れたニュージーランドに別れを告げ日本に帰国いたしました。
ニュージーランドでの生活は私達にかけがえのない素晴らしい時間と出会いを与えてくれました。
家族だけで過ごす時間・シュタイナー教育・バイオダイナミックス農業・アントロポゾフィー医療との出会いと学び、そして仕事面ではオーガニックツアーの開催、ツアーコンダクター、私達の夢だったオーベルジュ『滞在型レストラン』の開業。
すべて実現することができ、すべての事柄が私達の予想をはるかに超えて進化、発展しました。( 詳しくはホームページwww.wara.jp ) その上、不可能といわれた永住権まで取得できたのでした。
しかし、ニュージーランドで積み重ねてきた実績と生活の安定をすべてゼロにリセットして帰国しました。
思い起こせば7 年前ニュージーランドに行ったときも同じような状況で、日本での仕事は多くの人に支えられ応援していただき絶好調でした。
しかし、いつもどこかでわたしの中には虚無感と焦燥感がありました。
わたしの望みである『まずよき父親、よき夫、よき料理人でありたい』という願いからは程遠い生活だったのです。
日本での仕事を一切やめて父親として夫としてまったく別の世界にいって家族と向かい合いたい、そう思ったときには何の迷いもありませんでした。
そしてこの7年間私達には充実した時間が与えられました。


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日本に帰国して10 ヶ月が経ちました。
7年間留守にしていたので、家の修理や山や畑や庭の環境整備に汗を流しています。
山の上にあったドームは移築して、講演会・上映会(100 人規模)個展・展示会・気功のできるセミナーハウスに生まれ変わりました。
ドームの再建築は、内外装とも県産の杉を使い、外壁は柿渋と弁柄を調合した塗料、内壁はエネルギーの高い天然石の粉末を入れた珪藻土仕上げ、施工は私達の手でやりました。
そして、今年はなんといっても米作りを始めたことです。
病気もなくすくすくと育ってくれ、稲に穂がでてきました。
土を耕すことから今までの間、みんなの汗と笑い声、暖かい視線、そして大地の記憶を小さな穂にいっぱい組み込んで、今年のお米ができあがっていきます。


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この地に入植して20数年。
最初の2, 3年は米作りにも挑戦しましたが、失敗続きでほとんど収穫はできませんでした。
それが、今年初めて、お米が収穫できそうです。
子供達や若いスタッフ達のおかげです。
毎日田んぼに出かけ、稲の成長を見るたびに新規就農者としてここに来た当時の夢と希望が蘇り、わくわくしています。
鶏も数羽ですが、飼い始めました。
日本での農的暮らしの再スタートです。
毎日、わらの畑で収穫された野菜が食卓にのぼり、バッカリ食三昧の料理をしています。
シンプルだけど、幸せと豊かさを噛締めています。
来年は、自給率を上げるため、耕作面積を増やす予定です。
20年以上も人の手が入っていない荒地を開墾しようと考えています。


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◇新生わら建築中です。
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来年夏(2008年)の完成を目指して、自宅を目下建築中です。
当初、今年の夏には完成予定だったのですが、可能な限り環境に負荷をかけないで尚且つ、住む人の心と体にやさしい家を追求したため、大幅に遅れてしまいましたが、その分素晴らしい家ができると確信しています。
デザインは日本初のオーガニックライフコンサルタントの中田重克さん。
概観構造体は、日本でも最高水準の構造を誇る(株)富士ハウス、内部造作・内装仕上げ・基礎は、わらに来て20年来の親友であり、大工の棟梁で名工の平野守男さん。
三者三様のコラボレーションによる他には類を見ない建築物になると、今から楽しみにしています。


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 まず、建物の地場エネルギーを高めるため、炭素埋設、敷き炭。室内の空気浄化のため、天然エネルギー石の壁面塗装。
そして、水には配慮しました。体に良い事もさることながら、生活排水が環境汚染になるのではなく、返って環境浄化に役立つものがないかと何十社も資料を取り寄せ、探し当てることができました。
早速、わらに取り付けたところ水道水の1.9 倍の油を溶かす力があるので、洗剤の使用量が激減しました。
体への作用としては、体内の脂肪の中に溶け込んだダイオキシンやPCB等を排泄してくれる働きが期待できるそうです。これは、水道管元付けなので、洗濯も、料理も、お風呂も、家中全部の水が良水となる上、メンテナンスフリーなのでコストもかかりません。わらの歴史の半分は、水を確保し、安全に使えるようにすることに費やしたと言っていいほど、水には苦労したので、この浄水器はまるで夢のようです。興味のある方は、直接お問い合わせください。

「健康と環境の神戸クラブ、
      TEL 078-367-3477」

但し、この浄水器が良いというのは現時点で私の知りえる範囲ということですので、この先もっと素晴らしいものが出るかもしれません。ただ私が、取り付けた最大の理由は、性能もさることながら、開発・製造者の人柄に共感したからです。

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 次に、配慮したのが電磁波対策です。
いくら良い素材を使っても、電磁波対策をしていなければ、健康な日々は送れないことになります。これも、電磁波をブロックするだけでなく、電磁波を体にとって良い波長に変換できるものを見つけることができました。高圧電線の真下に住んでいる知人から相談を受け、その装置を設置したところ、その瞬間から目に見えて効果があり、知人のみならず、家族全員に喜
ばれました。等々、私が家作りを通して、学んだ中からお伝えしたいことがいっぱいあります。それは家の完成後、小冊子にまとめて家を建てる方々に役立ててもらおうと計画しています。


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◇新しい料理本出版 「野菜たっぷり重ね煮レシピ」
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私達がニュージーランドに居た頃から、重ね煮に出会って人生が変わったという編集者の熱いラブコールがあり、帰国と同時に本の製作にかかりました。
その本が10 月1 日に出来上がります。
今回の本は、重ね煮を1からマスターするために、包丁の持ち方、切り方、姿勢、野菜の重ね方まで写真で細かく工程を追っているので、とてもわかりやすい本になっています。
そのうえ、みなさんから一番リクエストの多かった、ひとつの重ね煮から多くのバリエーションを作るというレシピにも力を注ぎました。
ニュージーランドで出来た新作メニューも加えてあります。
そして何より徹底して美味しさを追及しました。
今回のスープの旨みは会心の一品です。

まずはわたしのプロローグから

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(前書き)
 私は料理大好きおいしいもの大好きな少年でした。
将来の夢はコックさんになるといつも言っていました。
そんな私の一番の楽しみはクリスマス。
決して豊かではなかった家計の中で、当時(昭和30年代)高価で貴重だった卵・生クリーム・バターをふんだんに使って作ってくれたクリスマスケーキでした。
花びら一枚一枚をバタークリームで作った飾りのバラの花作りは、子供の私にとってまるで魔法を見ているようでした。
そのケーキに包丁を入れる時の喜び。スポンジ生地・生クリーム・バタークリームのおいしかったこと!家族みんなで共有した満ち足りた時間と空間、今でもはっきりと記憶に焼きついています。
母は共働きで仕事をしていたので帰宅はいつも5時過ぎにもかかわらず、私が高校を卒業するまでの家に居る間、缶詰やインスタント食品は言うに及ばず、出来合いの惣菜さえもほとんど食卓に上がることはありませんでした。
母は朝早くから起きて家族の朝食、家族全員のお弁当作り、朝食の後片付けまでしてから出勤していました。
夕方帰宅してからも家族の夕食と後片付けの毎日でした。
そんな母を少しでも手伝いたい役に立ちたい喜ぶ顔が見たい、そんな気持ちから私はいつも料理する母の傍らにいました。
今の私の料理の原点はこの母にあります。
自分自身が「うまい!」と飛び上がりそれを人に食べてもらって喜ばれる。
それが嬉しくて嬉しくて料理をしてきました。
そんな私に二十歳の時にマクロビオティックを世界に広めた桜沢如一の思想と、食養料理の大家・小川法慶氏との出会いが待っていました。
桜沢氏は人生の目的は

「やりたいことをやってやってやり抜いて、堪能するほどやり抜き、自由で楽しい人生を生き、縁ある人に喜ばれること」

一言で言えば、「大好きなことをして幸せに生きる」と言っておられます。
小川先生はそれを具現化する具体的な方法として、重ね煮料理を生み出されました。
この二人の師によって私の生き方と料理の確信ができました。 
食べ物によって命が成り立ち、自然界が、太陽と土と水と大気の中に生み出してくれる食べ物を通して人は生きることを許されている。
料理はその自然と人間の命を繋ぐものだから自然に対して畏敬の念と感謝の心で接し愛情を持って料理した時、人は安らぎと幸福感に満たされ健康も得られる結果としてイメージどおりの人生が与えられる。これがわらの料理の基本です。
このような食のあり方に変えて30年になりますが、農的な田舎暮らし・自然食を提供する宿・海外移住生活など、イメージしたことがすべて実現しました。幸せや健康を求めて穀物菜食を始めた人の中にはその約束事にとらわれ、

(ねばならない) (こうあるべき) (00してはならない)

に縛られている方がいます。
今を犠牲にして幸せで健康な未来はないのではないでしょうか。
結果を求めるのではなくおいしく楽しく感謝して三度三度の食事の繰り返し、そのプロセスそのものに幸せを感じ味わうことが大切なことだと思います。
今を生きる力と楽しむ心の積み重ねの先に未来はあるようです。
小川先生は食養家でありながら、たまに魚や肉も食するとてもおおらかな自由人でした。
おかげで私も何でも食べるいいかげんな穀物菜食人間です。
しかし、今回この本はだしの一部を除いて肉・卵・牛乳・魚を一切使わない穀物菜食メニューで構成しました。
おかげで野菜と塩だけなのに、バターや牛乳で作るスープよりはるかにおいしい感動の味のスープが完成しました。
他の料理も私自身が食べて「うまい!」と目を丸くするようなおいしいメニューでいっぱいです。
今回は動物性のものを使わない(だしの一部を除く)という制約を徹底的に楽しみました。
おかげで制約の必要性と大切さを学びました。
制約があるから工夫し、発見を呼び、想像力が育まれ、独創性を生んでくれました。
企画してくれた編集者に今では感謝しています。
わらは料理屋ですが私はお客様のために料理を作るというよりまず家族に「おいしい!」って言ってもらいたいがために料理を作ってきました。
そんなわがままな料理屋が多くの人に喜んでいただいて20年が過ぎました。
そんな日々の積み重ねから生まれた料理をみなさんも是非味わってみてください。

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(後書き)
 約7年間の海外生活で日本に生まれ日本に生活していることのありがたさや喜びに気がつかないで生きていたことと、わが国は食の楽園であることに気づかされました。
しかし現実の日本において私達を取り巻く食の環境は複雑で、私達の日常感覚では計り知れない大きな流れの中にあり個人の能力の限界を超えた状況にあります。
生活全体を地球規模で考え、対処しなければならない時代になりました。
こんな時代だからこそ祖国日本の食の喜びを深く知り感謝して味わい、日々の生活に活かすことのできる料理が求められています。日本の食文化には今はやりのロハスもマクロビオティックの思想もすべて内在してます。
現在日本では成功法則・幸せ・億万長者・夢がかなう等の情報がもてはやされていますが、どんな条件より「自然との共生」が不可欠なことだと思います。
おはようからおやすみまでの日々の生活、三度三度の食事の中にある感謝と楽しみと喜びは命に宿ります。
私の敬愛する料理家辰巳浜子さんは食はあらゆる文化の母胎であると言われています。

「深い愛情の積み重ねを日々の生活に忠実に行う」    

手しおにかける私達の日々の命を支えてくれる食事の向こうにある、自然が無償の愛で与えてくれた大根さん人参さんが喜んで投げ出してくれた命そのものに対し失礼のないように出会い失礼のないように調理し、失礼のないように食べ、失礼のないように生きる。
この具体的な行為が「丁寧に生きる」ことにつながり本当の安らぎと幸福感を与えてくれます。
料理作りの鉄則はおいしく楽しくありがたくということにあります。
楽しい一食一食が人間の成長に大きな影響を与えます。料理の基本を良く知り心をこめて作った料理こそが最善の人間形成を促すことになります。
私達の日々の生活の中にそして台所にそして料理の中に全ての答えがあります。
料理を通して日々の生活を「丁寧に生きる」人たちによって希望の光が世界に広まることになりますように。
「丁寧に生きる」ここにある具体的生活態度と内的態度の先に「大好きなことをして幸せに生きる」秘訣があるように思います。

船越 康弘

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私達の出版する料理本はこの本で3冊目です。
20年ぐらい前からいろんなところで料理教室をさせていただいていましたが、海外に2006年12月までの7年近く日本を離れる前の頃には、ゴミの出ない料理教室、地球にやさしい、体にやさしい料理法というキャッチフレーズで、おこなってきました。
海外から戻ってきますと、スローフード デドックス効果があるということと、言うまでもありませんがマクロビオティック料理でこの重ね煮料理も一段と脚光をあびていました。私どもが提唱している重ね煮とは、おなべの中で火のエネルギーを加えることによって、いくつものエネルギーが対流を起こし、さながら、おなべの中で小宇宙の状態を作り出し、野菜一つ一つの味ではなく新しいおいしさを生み出す料理法です。
新しいおいしさとは、口では言い表しがたく、実際作って味わっていただかないとわからないと思います。

 今、わらでは船越康弘三昧セミナーという企画を年に数回行い、重ね煮料理を作って味わい、食べ物が体だけではなく心も喜ぶということを実感していただいています。
それは、体に良いから食するという粋を超え、お年寄りから小さなお子様までほっとする味、すんなりと日常食として家庭に取り入れることができる料理として学んでいかれます。
セミナーに参加される前にはお肉や、お魚、乳製品等が食卓に並ばないと我慢ができなかった食生活から、無理なく移行しやすい料理、それは押し付けや強制ではないからこそ、長続きする、別名 家庭円満の料理と名づけてもいい料理だと自負しています。その上、エコロジカルな生き方が問われる昨今、生ゴミが減り、油も控えめなので、洗剤を必要以上に使いません。
また、作り置きができるので、手間いらずです。家族を健康にする、幸せにするという最初のスタートとして、料理を、この本を活用していただければうれしいです。

船越 かおり

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◇これからのわらの予定
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現在くしくも、わらには私達夫婦と子供たち3人、家族5人が揃いました。

長男、謙雄は玄米コーヒー「メモリザ」の販売とホームページの企画管理・運営を担当しています。コンピューターおたくの謙雄は結構楽しんでくれています。
小さい頃から木登りが大好きだった彼は、わらの森で遊ぶのが大好きです。今でも、あちこちにブランコを作って遊んでいますが、最新作は裏山の樹齢300年の巨木に作ったブランコです。ニュージーランドのバンジーよりも迫力のある空中に飛び出す、まさに天空のブランコを作り、遊んでいます。一歩間違うと、大ケガにつながる命がけのブランコです。度胸試しでやりたくなるのですが、自分の心と体に相談して、やらない勇気も必要です。



 娘、藍は農業に燃えています。朝から晩まで、ほとんど毎日飽きもせず畑仕事をやっています。今は毎日藍が収穫してくれる野菜が食卓に上り、父親としてはこのうえない最高に贅沢な食事をさせてもらっています。
        
 次男、耕太は、「おむすび権米衛」、「遊食亭」、「知久屋」、日本でも屈指の美味しさと安全性を追求している会社で勉強させていただきました。
今年の五月にわらに帰って来て、毎日草刈りや大工仕事をしながら、将来はアパレルと食を融合させた新しい店創りを夢見ています。


 今再度、日本で家族が束の間でもいっしょに暮らせるようになったことに幸せを感じています。
いつかいづれ、独立していく前に今こうして、共に過ごす時間を大切にして、実りある未来に繋げたいと思っています。家族のひとりひとりが個として立ち、それぞれの大好きなことをして、精神的にも経済的にも、必要に応じて助け合うけれども、家族でありながら、依存も支配もない関係を保ち、穏やかなネットワークの一員として繋がりを大切に、尊敬し合える家族になれればと思っています。
世界を構成する最小単位は家族。その家族は、人間関係の基本。家族の健康と幸福が世界平和の礎ではないでしょうか。
そのためにまず、私自身が新しい文化を創造する人々に求められる資質を身につけ、魂の進化と意識の向上を目指します。
もちろん私の基本は、おいしく、楽しく、ありがたくで、難しい堅苦しいことではなく、おいしいものを食べ、楽しく語り、感謝と幸せに満ちた暮らしを子供たちの世代に紡いでいけるような環境創りたいと思っています。

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